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「プロデュース思考」が、苦境にあえぐ経営者を救う

9月16日発売の書籍「ブランド・プロデュース思考」の内容を少しだけお見せしたいと思います!
書籍出版に至った背景はこちらの記事をご覧ください。

「プロデュース思考」が、苦境にあえぐ経営者を救う


 ブランドとは、お客様との間の「プロミス(約束)」です。そして、顧客とのあらゆる接点において一貫したプロミスを伝え続けるためには、ブランドを俯瞰し、各所との連携を図ってブランディングを「プロデュース」していく思考が必要です。これが、本書でお伝えしたいことです。

はじめまして。株式会社ライフェックス代表の工藤と申します。
私たちは、広告、SNS、PRなどを駆使した新規顧客獲得から、既存顧客の育成を担うCRM領域まで、一気通貫で、マーケティング支援をしている会社です。顧客とのコミュニケーション設計をはじめ、コンタクトセンターやLINE運用まで全方位から支援するのが特徴です。

その支援において重要視しているのが「ブランディング」です。クライアント企業の経営層と対話をすることでブランドイメージを固め、各部署の社員とも話をしていくことでブランド意識を現場にまで浸透させ、一貫性のあるブランディングを実現していきます。詳しくは後ほどお伝えしますが、完全なるブランディングを実現するには、全方位から支援する必要があるのです。

この本は、そんな弊社のノウハウを、自社のブランディングに悩むすべての方に向けてお伝えするものです。「顧客に自社のブランドを理解してもらえない」「ブランドイメージを決めたはいいものの、現場レベルの業務にまで落とし込めていない」「社内に自社のブランドイメージが認知されていない」。こういった悩みを抱えている方に、お役立ていただける内容をお伝えしていきます。

ブランディングとは言葉と感覚で「プロミス」を伝えること


そもそも、「ブランドがある」とはどのような状態を指すのでしょうか。
 この答えが、冒頭でお伝えした「自社とお客様との間にプロミス(約束)があること」だと、私たちは考えています。つまり自社の商品やサービスの力で、お客様により良い未来をお届けすることです。そして、PDCAによってさらに約束を重ねていくことで、ブランドの価値を高めていくことを「ブランディング」と呼びます

お客様と企業との間で交わす約束には、企業としての堅い意思と強い信念が求められます。いうなれば未来を保証するわけですから、お客様の期待を裏切るような振る舞いをしてしまうと、信頼を損ねてしまいます。企業として一度失った信頼を取り戻すことがいかに大変であるかは、食品や自動車メーカーなどの過去の不祥事を見ると容易に想像がつきます。場合によっては経営の根幹を揺るがす事態にも発展します。

最近では日本企業でも、「ブランド」の持つ力が注目され始めています。ただ、その「伝え方」がもったいないとも感じます。というのも、多くの企業は自社のブランドイメージやメッセージを、ホームページや広告などにおいて「言葉(By word)」で伝えるだけにとどまっています。ですがブランドは、「心理的印象(By psychology)」によっても伝える必要があり、この点において世界の企業から後れをとっているように感じます。

心理的な印象でブランドを伝えるとは、例えば企業ロゴ、商品パッケージ、店舗デザインなど、お客様とのあらゆる接点で、その企業のメッセージや価値を彷彿させることです。おしゃれなデザインにするということではなく、お客様との「約束」を踏襲しているものにすることです。

一貫性の乏しい日本企業のブランディング


言葉や文字だけでなく、デザインなどの見た目、お客様と接する人の声や表情など、五感で感じるすべてにおいて「プロミス」を実現していくことが、ブランディングです。
ところが先ほどお伝えしたように、日本企業の多くはブランドを「言葉」で伝えるばかりです。経営層が考えた自社の「ブランド」を文字で社内に共有するだけで、「あとは各部署の判断で、このブランドを伝えてください」というパターンが多いのです。その結果、商品、デザイン、顧客対応などにおいて、ちぐはぐなメッセージを伝えることになってしまいます。中には、ブランドをどう体現すべきかが現場で分かっていない場合もあります。ブランド力はあったとしても、それが伝わっていない企業が多いのが現状です。

経営層と現場や、部署間で密接な連携をとれていれば、このような事態にはならないでしょう。ですが現実として、多くの企業はそうではありません。そこで求められるのが、全社を俯瞰して、各部署の連携を図ってブランディングを「プロデュース」する思考です。

経営者はブランドを「プロデュース」する思考を持とう


実際、海外の有名ブランドには「ブランド・プロデューサー」や「ブランド・デザイナー」と呼ばれる人が、経営者と近いポジションから全社を眺め、自社のブランディングの浸透や実践を統括しています。

一方、日本の企業では「ブランド・プロデューサー」のようなポジションを用意することは多くないのが実情です。こういった知見やスキルがある人も少ないのが現状でしょう。
そこで経営者こそが、自社のブランドを「プロデュース」する思考を持ちましょう。

「自社に対して強い思い入れがある」
「自社のブランドに対して深い理解がある」
「部署横断的に社内を俯瞰でき、業務に携われる」

これらはブランド・プロデューサーに必要な資質ですが、経営者はすべてに当てはまります。ただし当然、ブランドに対する考え方や、それを社内や現場、お客様たちに伝えていくための知見やスキルが必要になります。それを本書では、お伝えしていきます。

まず第1章では、ここまでお伝えしたことを深掘りして「今なぜ、ブランディングが必要なのか」「ブランドをプロデュースするために必要なものは何か」をお伝えします。

次に第2章では、ブランド・アイデンティティ(BI)の考え方をお伝えします。お客様にあらゆる面で感じてもらいたい「ブランド」を具体的な項目として言語化し、それを社内に浸透させる方法を紹介します。

そして第3章からは、描いたブランド・アイデンティティを実務に落とし込み、お客様に的確に伝えていく方法をお伝えします。まず第3章では、新規の顧客を獲得するマーケティング活動において、ブランド・アイデンティティを踏襲していく方法をお伝えします。自社サイト、広告、SNSなど、あらゆる接点でブランドを感じてもらうために必要な「クリエイティブ」と「プランニング」の考え方を紹介します。

第4章では、お客様とのタッチポイントの中でブランド・アイデンティティを伝えていくことで、ロイヤリティを高めていく方法を紹介します。お客様と接し、声を聞き、イメージを捉え、それを基に自社のブランディングを見直していく。このPDCAによって自社のブランドを強固にしていくことで、一度購入したお客様に「リピート顧客」になっていただけるのです。

第5章では、お客様と直接の接点を持つコンタクトセンターや物流といった「フルフィルメント」を担う存在を通じて、ブランドを伝えていく方法を紹介します。

これらの内容を通して、自社のブランドを明確にし、各部署で連携を図り、一貫性を持って伝えていくための「プロデュース思考」を養っていきます。

ブランディングの意識が低い日本の経営者たち


経営者の方々に「ブランディングとは何ですか?」と問いかけると、多くの人が「クリエイティブやパッケージ、ロゴなどにこだわること」と答えます。間違いではないですが、それはブランド戦略を実践するための手段の一部であり、本質ではありません。

このように、いまだにブランディングを正しく認識していない企業や経営者も多く見受けられます。なぜ日本企業には、ブランディングの本質を認識できていない企業が多いのでしょうか。ここには、「良い商品を作れば売上は自然とついてくる」という職人気質の考え方や価値観も影響しているように思います。「ブランディング」と聞くと「かっこつけ」といったような、表面的な印象を取り繕う行為と捉える向きもあるようです。

しかし前述した通り、決して、かっこつけるといった表層的なものではありません。むしろ、売上や利益に直結する、企業活動の本質的なものです。
一時期は、商品を大量生産し、スペックの高さや値段の安さをアピールした広告を大量に投下すれば、利益を出せる時代がありました。しかし今は、広告表現にも規制が入り、それも難しくなりました。加えて、コロナウイルス流行によるダメージ、人口の減少、製造コストの増加など、日本企業の前には様々な壁が立ちはだかっています。

苦境にあえぐ企業にとって、「ブランディング」は唯一の希望と言えるでしょう。確固たるブランドがあれば、たとえビジネス環境が変化したり、競合他社が商品の模倣や安売り競争で仕掛けてきたりしても、お客様と「信頼」によってつながり続けられます。本書がそのための一助になれば幸いです。


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