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誰に聞けば実態が把握できるの?アウトソーシングあるある

今回ご紹介する「アウトソーシングあるある」は実際に私が経験した実話を元にしています。類似の経験をたくさんしてきましたので、「あるある」と書かせていただきました。

私だけでもそれだけ類似の経験をしてきた、ということは、きっと世間にもあふれているのでは?と思い、今回書くことにしました。

これから書くのは、通販事業やD2C事業の化粧品、健康食品の「コールセンター」を題材にしていますが、その業界の方でなくともアウトソーシングする機会や経験はあると思いますので、一読いただければと思います。

今回は2つご紹介します。

ケース1:初めてアウトソーシングするときの事業者あるある
ケース2:アウトソーシング先を変える時あるある

何かしらの参考、気付きになれば幸いです。

ケース1:初めてアウトソーシングするときの事業者あるある

とある化粧品会社の宮藤さんは、そこそこ事業規模も大きくなってきたので、自社内にあるコールセンターをアウトソーシングするようことを計画しました。アウトソーシング先A社の担当の高居さんを呼び出しました。

宮藤さん「今回、コールセンターの業務をA社さんに全部お願いしたいんだけど」。高居さん「ありがとうございます!是非頑張らせていただきます。では業務要件を聞かせてください。」

コールセンターのアウトソーシングの経験豊富な高居さんは、いつも通り要件をヒヤリングしていきます。

コールの量、必要な規模、業務概要などを聞き終わると、おもむろに宮藤さんが言いました。「詳しい事は業務やってる村多さんの頭の中に全部入ってるから、質問あれば村多さんに聞いてみて。村多さんはこの業務の生き字引だから!なんでも聞いて!」と

村多さんは自社内のコールセンター業務全般を管理されている担当の方で、立ち上げ当初より携わっておられる方のようでした。

高居さんの額に一筋の汗、そして、こう思います。「またこのパターンか」

そして次々に不安が脳裏をよぎります。

・マニュアルは村多さんの頭の中しかないパターンだな。
・村多さんからしたら、仕事を取られる、と思うんじゃないかなぁ。
・運用をしながらの村多さんにヒヤリングの時間作ってもらえるかなぁ。
・そもそも移管すること村多さんは知ってるのかな?
・村多さんはちゃんと教えてくれるかなぁ?
・個別ルールがたくさんあったらどうしよう
・こわかったらどうしよう、、、

つまり、「自社の業務におけるマニュアル・フローがドキュメント化されていない」という「あるある」です。言い換えると、とある担当者だけが業務を把握していて属人化されている、と言う話です。

「アウトソーシングする」ということはサービスを平準化し、規模を問わず運用できるようにする、ということも考えながら構築が必要です。

自社ならできるけど、アウトソーシング先ではできないこと。今の規模ならできるけど、拡大したらできないこと。一人ならできるけど、複数人になったらできないこと。ベンダーは受託する際にこれらを整理していきながら進めます。

且つ、引き続き事業者側で行っていただく内容と請け負う内容を区分けしていき、お客様から見た時のサービスが劣化しないように気をつけながら進めます。

その中で、「ドキュメント化されていない」且つ「生き字引の方の頭の中にある」というこの状況は非常に進めづらいです。一般的に以下のようなものがドキュメント化されているといいかと思います。

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担当の人柄、性格によって収集できる情報に差が出ます。中には意地悪な人や、パンチの効いた人もいて、

私が今までやってきたとおりにやってください!
こんな問い合わせがあったら、必ず私に聞いて!
このやり方は変えられないわ!

なんて、言われることも少なくなく。個別対応(お客様の個々に合わせた特別な対応や処理)や独自ルール(システムの備考欄にこういうケースの時はこういう文言で入力する。)などがたくさんあることもあります。

今回は村多さんが優しく丁寧に教えてくれたので、無事に引継ぎができましたが、それでもやっぱりドキュメント化されていたほうが、抜け漏れもないので、安心ですよね。

参考:コールセンターをアウトソーシングする際は準備に以下のような工程が必要になります。

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弊社では、コールセンターの新規立上げ、アウトソーシングする際の支援など様々なご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。

ケース2:アウトソーシング先を変える時あるある

コールセンターB社の担当江守さんがある日宮藤さんに「今までA社にお願いしていた業務をB社にお願いしたいんだよね。A社はがんばってくれてるけど、成果がよくないんだよね」と言われました。

江守さんは「お任せください!では今の運用マニュアル、フロー、スクリプトなど一度共有いただけますか」と期待に応えようとします。

宮藤さんが「村多さん、マニュアルなどの資料一式江守さんに送ってくれる?」と村多さんに言うと、「ここ1年ぐらいもうA社さんで全部やってくれてて、私はわかりません。A社の高居さんにもらってみます」

この一言が出た時にリプレイス経験豊富な江守さんは「出た!このパターン」と口からこぼれます。そして同時に様々な不安にかられます。

・自社では自分たちの業務を把握してないのかぁ。
・A社からマニュアルもらえるのかなぁ。
・A社でしかできない運用になっていたらどうしよう。
・A社と直接やり取りできたら早いけど、無理だろうなぁ。
・そもそもA社はこの話知ってるのか?

A社にとっては運用マニュアルやスクリプトなどは自社内のノウハウでもあります。何よりもリプレイスされる側でもあるので、あまり気分のいい話ではありません。

予感は的中し、いじわるな高居さんは資料の提出を渋ります。なんとか村多さんががんばって一部の資料は入手できたものの、核心的な部分(細かな運用ルール)の資料はもらえませんでした。

江守さんは必死になって資料を読み解き、システムを理解し、フローを作ってなんとか運用を開始しました。

ですが、やはり細かなルールなどはやってみて初めて気付くことも多く、お客様にご迷惑をおかけしたり、ミスや漏れがたくさん出ました。わからないことを宮藤さん、村多さんに聞いても「わからない」との回答。

開始から1ヶ月、江守さんはわからないことだらけに悩まされる日々を過ごすことになったとか、ならなかったとか・・・。

まとめ

二つあるある話をあげましたが、大なり小なりこれと同じようなことがご依頼時には発生することが多いです。

1つ目のケースのように、自社の担当者の方だけがすべて把握されていて、ドキュメント化されていない事は本当に多いです。

アウトソーシング側は事業者側の担当者に運用方法やルールなどをヒヤリングしていきますが、業務を知らない人が質問をしていくため、どうしても抜け漏れや認識の相違が生まれます。

自社で今現在、運用をされているとしても簡易でもいいのでマニュアルを作成しておくことをおすすめします。そうすると、アウトソーシングする際に非常にスムーズにいきますし、移管工数の削減、認識相違の軽減につながるので良いと思います。

また自社運用時でもドキュメント化することでプロセスの無駄を見つけられたり、担当者一人しか知らないという属人化した運用のリスクヘッジにもなります。

2つ目のケースでは、アウトソーシング先にまるっとお願いしていて、今どのようなルールでどのような運用がされているのか把握されていない事業者様の話ですが、これも多いです。

数値の把握だけ行い、いつのまにか膨れ上がったコールセンター側の処理の多さや複雑さを把握していないケースが非常に多くあります。そしてこちらもあるある①同様にハウスルール(独自のルール)が出来上がり、ドキュメント化されていないこともあります。

アウトソーシングしていても自社の窓口がどのような対応がされていて、どのような処理が行われているのか、サービス全体を把握しておくことをおすすめします。

特に注意すべきは、プロセスが複雑になるということは、それだけお客様にもわかりづらくなっているということです。理解するために何時間も研修しなければいけないような内容であればすぐに見直したほうがいいと思います。

お客様に提供するサービスを理解するためにコミュニケーターへの研修を何時間も必要とするのであれば、そのサービスをお客様が理解し、便利だと感じ、いいサービスだと認識することは「無い」と思ったほうがいいです。

余談ですが、とある業務で「この問い合わせの場合は、いかなる時も即時私に確認してください」と事業者の担当者に言われていたものがありました。

なので、そういったお問い合わせがあった際はその方にすぐにご連絡して確認を取っていたのですが、ある日連絡をしたら「私、お昼食べてるんですけど。ゆっくりご飯も食べられやしない。後にして」と言われて電話切られた、ということがあったとか、なかったとか。。。

ご参考になれば幸いです。

この記事の編集メンバー
高井 真吾(タカイ シンゴ)
コールセンター運用経験16年。立ち上げ及び運用実績約200社。通信販売、D2C、会員制ホテル、公共事業など様々な業務の支援実績。
・趣味:映画鑑賞・ゴルフ(まだ初めて1年)・ドライブ・立ち上げ支援
・姿勢:仕事ではなく、志事をする。
・モットー:笑顔・感謝・機知・機転


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