コールセンターのKPI。大切なことと必要なことの違い~200社の運用実績から語る④
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コールセンターのKPI。大切なことと必要なことの違い~200社の運用実績から語る④

もちろんKPIは大切です。

今回はコールセンターの成果を計る上で事業者側が設定するKPIについて書こうと思います。KPIを設定してPDCAを回すことが大事だよ!なんてことを今さら書くつもりはありません。

KPIに設定した数値の変動に一喜一憂した、いや、違いますね、ひたすら振り回された経験から、本当に必要なことってなんだろう、という話を書きたいと思います。

当たり前ですが、コールセンターの運営は事業である以上、KGI・KPIを設定し達成に向けて取り組むことは重要ですし、必要です。「いらない」という話ではないのでご注意ください。

通販事業・D2C事業においてKPIとして設定されることの多い項目としては、インバウンドなら応答率・受注率・引き上げ率(アップセル率・クロスセル率)・一次完結率・解約阻止率・ミス率・案内率・スクリプト順守率、アウトバウンドならコンタクト率・コール倍率・受注率(SPC・SPL)などがあります。

聞きなれない指標もあるかもしれませんが、これらの項目の説明は今回は割愛しますのでご了承ください。今日はよくご存じであろう項目を例にいくつかの話をしていきたいと思います。

なぜ常に「割合(率)」で計るのか。

KPIに設定される項目はほぼ「割合(率)」で示すことが多いと思います。では、なんでもかんでも割合で見ていいのか、という話をまずはしたいと思います。

応答率はだいたい80~90%ぐらいをKPIとして設定するところが多いと思います。今回は例として応答率85%をKPI設定しているとして、下の表を見てください。

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A社もB社も応答率は同じ90%です。いづれもKPI達成です。では下ではどうでしょうか。

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いづれも上図と比較して1件放棄(呼損)が出ています。応答率はA社は89.9%、B社は80%となり、B社は応答率未達成となります。

応答1件が割合に与える影響度は、A社は0.1%、B社は10%となっています。その差は100倍です。A社は「率」でKPIを計ることはおそらくみなさん「あり」とお答えになると思います。では、B社はどうでしょうか。「率」で計る意味があると思いますか?

もっと極端な例を出しますね。

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次は受注件数に対して定期への引上げ件数がどうだったかを計る「引上げ率」でA社とB社を見比べてみてください。率で見るとB社のほうが成果が高いですよね。

B社の成果を見て「わぁ、すごい」ってなりますか?逆にB社が1件しか引上げできず33%だったら、「全然だめだ」となりますか?ならないですよね?おそらくこの感覚はみなさんお持ちだと思うんですよね。

ですが・・・これが自社の事業のKPIとなるとB社のような結果に一喜一憂、いや、振り回されるんですよ。ほんとにそうなんですよ。

日報を確認するなり、「率」だけを見て、ガッツポーズしたり、コールセンターの管理者に電話をして「なぜ昨日は引上げ率が下がったのか!」などと詰めたりしていないでしょうか。

率で計るにはそれなりの母数があってこそです。件数が少ない場合は、率ではなく、「1日2件定期を取りましょう」など件数目標に切り替えるなど柔軟な対応が必要ではないかと考えています。

その時その時の自社の各件数によってKPIとして定めるべきか、さらには率で追うべきか、件数で追うべきか、をしっかりと考え、設定するようにしてください。そうしなければ、不毛なことに大切なリソースを使うことになり、さらに悪化することになるでしょう。

結論・・・「率」で追うならそれなりに件数がある場合にしたほうがよい。分母となる件数が100件程度あれば「率」で語ることに意味も出てくる。

大切なこと、と、必要なこと

事業のトレンド、コールセンターのコンディションを把握するためにKPIを設定することは大切なことです。繰り返しになりますが、これは断言できます。

おそらく各社が設定されているKPIはすべて大切な項目だと思います。ですが、そのすべてが必ずしもコールセンターに必要なKPIかどうか、というのはまた別の話になります。

前述の「率」で追うかどうかという母数による要否もありますが、事業者側が事業が成立しているかを見るためのKPIや拡大や投資を検討する際の判断軸としてのKPIとコールセンターが運用する上で責任を担うKPIとを明確に分けて考えることが重要であると考えます。

簡単な例でいうと、媒体を投下し、その反響による受注件数のKPIを72件とします。コールセンターのKPIを応答率90%、受注率が80%とします。

必要応答件数=受注件数72件÷受注率80%=90件
必要入電件数=応答件数90件÷応答率90%=100件

上記のように72件の受注件数を獲得するために必要な入電件数が100件必要というのがわかります。では、実際の結果が以下になった場合を考えてみましょう。

入電数:90件(目標からー10件)
応答数:81件(目標からー9件 応答率90%)
受注数:69件(目標からー3件 受注率85%)

受注件数が69件となり目標に対して3件マイナスです。ですが、コールセンターは応答率も受注率も達成しています。そもそもの未達の要因は入電数、つまり反響が少なかったです。

このようなケースの時に受注件数が足りないことをコールセンターの責任にしてはいけない、ということです。この場合、媒体の反響が弱かったことに対してしっかりと原因分析を行い、100件鳴るようにどうしたらいいのか、を考えることが本当の改善であり、KPIを設定した意義だと思います。

つまり、KPIを設定している項目はすべて大切であることは確かで、それが「どこにとって」必要なのかをきちんと定めることが必要だということです。

まとめ

・KPIはトレンドによって重要視すべき時かそうでない時かを判断する。
・率で追うことだけでなく、時に件数をKPIとするなど柔軟に対応する。
・KPIは項目によってどこが責任をもって追いかけるかを明確にする。

なぜこのような話をしたかというと、昔、常に50個程度のKPI項目を設定している業務があり、報告書を作ることがSVの仕事の大半を占めていたことがあったからです。事業のコンディションを計るためのKPIを集計し取りまとめることに忙殺され、本当に必要な活動ができなかった思い出があります。

あの時のエクセル、見づらかったなぁ・・・。

この記事の編集メンバー
高井 真吾(タカイ シンゴ)
コールセンター運用経験16年。立ち上げ及び運用実績約200社。通信販売、D2C、会員制ホテル、公共事業など様々な業務の支援実績。
・趣味:映画鑑賞・ゴルフ(まだ初めて1年)・ドライブ・立ち上げ支援
・姿勢:仕事ではなく、志事をする。
・モットー:笑顔・感謝・機知・機転


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