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200社の運用実績から語る① 失敗しないコールセンター構築!最初に必要な3つの事

はじめに

今回は、ライフェックスが支援する領域の中でも、なかなか実態が知られていないコールセンター構築の考え方や運用のノウハウについてご紹介します。

本noteはD2C事業を新しく立ち上げることになった方や、コールセンターの立ち上げ担当に抜擢された方などにお役立ちいただける内容です。
ぜひご覧ください。

コールセンター立ち上げ担当に大抜擢!さて・・・

店舗をもたないD2C事業において、お客様と直接やり取りをする唯一の接点はコールセンターです。

新規のお客様を増やしていく上でも、既存のお客様により長く購入し続けてもらう上でも、コールセンターは非常に重要な役割を担っています。

にもかかわらず、担当者の多くは「コールセンターのことなんてよくわからない。そうだ、コンペをして各社から提案をもらおう。餅は餅屋だ、プロに任せよう」なんて安易に考えて外部委託という手段で進めてしまうケースがかなり多い気がしています。いや、事実、かなり多いです。

社内の予算が許すのであればコールセンターを運営している会社にまるっと外部委託することが一番簡単そうで、確実だと思うでしょう。確かにそれはそれで正解です。『コールセンター』で検索すると全国津々浦々のコールセンター運営会社が多数出てきます。

その場合でも「どこに頼めばいいのか?」と迷うと思います。どこがいいかもわからないから、きっと検索して上から出てきた順にコールセンター運営会社に電話をかけて話をしていくといったこともあるかと思います。

あえて断言しますが、そのまま進めば、1年後「楽」をするはずが、成果が上がらず、コストが圧迫し、社長に「どうなってるんだ」と言われ、頭を抱えている。そんな未来が待っています。

私自身、16年間コールセンター業界に関わり、約200社の通販事業、D2C事業のコールセンターを立ち上げ、運用してきました。定期モデルから単品通販、健康食品から化粧品、雑貨、食品あらゆる商材のコールセンターに携わってきました。

そしてその200社の運用の中で、失敗を山ほど重ねてきました。どれだけ準備をしても100%思った通りに行ったことなど一度もありません。それでも経験を積むごとに失敗は減り、思った通りとは言わないまでも、ある程度想定通りにスタートを切れるようになりました。

その中で、最初にこれがしっかりあればなぁ?と思う大事な考え方が、以下の3つです。

①コンセプトを立てる
②役割と範囲を決める
③ドキュメント化する

一度スタートしたら止められないコールセンターは、最初が肝心です。

仕事は段取り8割!準備が何より大事です。

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①コンセプトを立てる

コールセンターにコンセプトなんているの?と言われそうですが、コンセプトがあるのと無いのとでは成果も品質も段違いの結果になります。

コールセンター運営会社に仕事をお願いしたら、その会社の成果や品質が担保されるんじゃないの?と思われると思いますが、残念ながらそんなことはありません。

人が関わる以上、その成果や品質にはそれを維持・向上させるためのモチベーションが必要です。そのモチベーションがどこからくるかというと、事業者側が発信する「気持ち」や「想い」、つまり「コンセプト」です。

事業者側がなんの想いも伝えていなければ、コールセンターの応対は統一感のないものになります。もしくはそのチームの管理者にゆだねることになります。そうなると、成果や品質は思うように上がっていかないでしょう。

コールセンターもあなたの会社のブランド、商品のもつブランドを踏襲したものでなくてはいけません。コールセンターはあなたの会社の「顔」として、お客様の対応をします。「コンセプト」は関わる全員がしっかりと理解し、それをふまえた応対をすることは非常に重要になります。

そんなに難しく考えなくても大丈夫です。

「どんな応対を目指してほしいのか」を明確にするために徹底して考え、そして伝えればいいのです。

会社の成り立ち、歴史、社長の考え、商品開発に込めた想いなども含めながら考えてみてください。お客様が電話を架けてこられた時にどんな第一声だったら「その会社らしい」と感じるのか真剣に考えてみてください。

非常に泥臭く、暑苦しいと感じられるかもしれませんが、「人」が真剣に物事を進める原動力は意外とこういうものだと思いませんか?

「コンセプト」とはスタート地点のように感じると思いますが、それは同時に目指すべきゴールでもあります。

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②役割と範囲を決める

「役割って、電話を取るだけじゃないの?」と思われるかもしれませんね。確かに「鳴った電話を取る」ことがコールセンターの最大で最重要な仕事です。

ここで言う『役割』とはどういった内容のどこまでをコールセンターで対応し、完結してもらうのか、を指します。

例えば、「商品を注文したい」とお客様がおっしゃった場合、注文登録までをコールセンターで対応する。これはわかりやすいと思います。では、「注文した商品をキャンセルしたい」とお客様がおっしゃった場合はどうでしょうか。

キャンセルを承るのはコールセンターでできる、というのは想像できると思います。

では、商品が到着していた場合どのように返品を受けますか?商品発送前であればどのようにその発送を止めますか?システム上の返品処理を誰が行いますか?誰が倉庫に返品がある旨を連絡しますか?誰が返品があった注文の未請求の処理をしますか?などなど、「キャンセル」という事象一つ取っても決めておく役割と範囲がたくさんあることに気づくと思います。

電話対応の後に生じる、いわゆる後処理と呼ばれるものを誰がどのようにどのタイミングで行うのか、そういったこともしっかりと事前に決めておく必要があります。

ここを怠ると、開始直後にコールセンターもあなたも混乱に陥りますし、「聞いてた話と違う」と双方が思ってしまい、うまくいかなくなります。

余談ですが、私が数々立ち上げてきた中で、立ち上げ前に担当の方に「この場合どう処理するんですか?」と聞いて、答えがちゃんと返ってくる確率ってどのぐらいだと思いますか?

2割ぐらいです。これ、マジです。

8割の人が自社がやっているサービスをちゃんと知らないんです。

すでにD2C事業をやられている方で、「わかるよ!」と思われた、あなた、最高です!

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③ドキュメント化する

いわゆるマニュアルを作る、運用フローを作る、ということですが、これを事前に作っておくと、コンペをする際のRFPにも非常に役に立ちます。また運用開始後の齟齬も減ります。

やるべきことを洗い出したら、それぞれに対していつのタイミングで誰が何をするのかをマニュアルに落とし込み、さらにそれをフロー化します。

マニュアル、フロー化をしていなければ、運用開始から1ヶ月間、「これはどうしたらいいですか?」「この対応をお願いしてもいいですか?」とコールセンターからの問い合わせが続くでしょう。お客様からの電話よりも、あなたの電話が鳴りやまないことになります。

マニュアルやフローを作っておけば、わからない時に立ち戻ることもできます。覚えていなくても調べることができます。追加された事があれば気づくことができます。ここは本当に重要です。

え?それってあるのが当たり前なんじゃない?と思うかもしれません。しかし実際はコールセンターが運用しながら、作っていくことのほうが実は多いんです。

場合によっては、ドキュメント化されておらず、その業務に携わっているスタッフの頭の中にしか無い、なんてことも・・・意外と多いですよ?

●●さんがいないと、ここわかる人いないんですよ、なんてことよく聞きます。

さらに、ドキュメント化されているないといつの間にか、コールセンターのやることがどんどん増えていきます。不思議と必ずそうなります。

「空いてる時間にこれもお願い」「日に数件程度だからお願い」「ついでにこれもやってもらえる」なんてことが起こります。

そうすると当初(運用開始時)の想定をはるかに超えた工数がかかるようになります。気づけば当初の何倍もの処理をコールセンターで行ってしまっていた、という事象を私は何件も見てきました。

結果、コールセンターのリソースは逼迫し、毎日処理に追われます。誰一人お客様の方を向いて仕事をしていないセンターが出来上がってしまいます。

とにかくその日やるべきノルマをこなす。そんなコールセンターの応対の品質はどうなっていると思いますか?

最初に立てた「コンセプト」は跡形もなく忘れ去られているでしょう。

どんどんやることが増える。教育する時間もないのに品質を上げろと言われる。お客様の声に耳を傾ける余裕なんかない。そんな話が聞きたければコールセンターの担当者に聞いてみてください。山のように話があふれ出してくると思います。

そうならないように記載した3つのことを一番最初にしっかりと行っていただければ、とってもいいコールセンターが出来上がると思います。

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コールセンターの設計・構築から進め方に課題を感じている方は、是非こちらからお問い合わせください。

ライフェックスお問い合わせ:https://lifex-group.co.jp/contact

この記事の編集メンバー
高井 真吾(タカイ シンゴ)
コールセンター運用経験16年。立ち上げ及び運用実績約200社
通信販売、D2C、会員制ホテル、公共事業など様々な業務の支援実績。

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