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スタバの顧客ロイヤリティ最下位から考えるブランディングのPDCAの重要性

皆さんはスターバックスコーヒーと言えば、何を思い浮かべるでしょうか。

美味しいコーヒーや、お洒落で居心地の良い店内、丁寧な接客、はたまたMacで仕事をしているビジネスマンでしょうか。

日本人にとっても馴染みのあるコーヒーチェーンのブランドとして認知されているスターバックスコーヒーですが、衝撃的なニュースが話題になっていました。

それは、スターバックスコーヒーの顧客ロイヤリティが調査の結果、最下位だったというものです。
※エモーションテック社が2019年に実施(現時点で最新の調査)
※顧客ロイヤルティとは、顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」を数値化したもの
※調査対象、スターバックスコーヒー以外に、コメダ珈琲店、ドトールの3ブランド。


個人的にはどれも好きなコーヒーチェーンなのですが、TPOごとに使い分けるにせよ、やはりスターバックスコーヒーの印象は群を抜いて良く、まさかロイヤリティが最下位だなんて思ってもみませんでした。(コメダ珈琲店、ドトールファンの方、すみません。。。)

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スタバはブランディング戦略の成功企業

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企業様にブランディング戦略の話をする上で、スターバックスコーヒーを事例に取り上げることが多々あります。
日本人にとって馴染みのあるコーヒーチェーンですし、ブランディング戦略において成功していることがその理由です。

冒頭でも述べたように、スターバックスコーヒーと言えば雰囲気やサービス、メニューなどで、何かしらポジティブな印象をお持ちの方も多いかと思います。
利用者にとってのスターバックスコーヒーの良いイメージが出来上がっている、まさにブランド構築がされている(ブランディング戦略における成功)ということになります。

そんなスターバックスコーヒーがまさか?!

ということで、私なりに考察してみました。 


ロイヤリティ低下の原因は、居心地とコスパの悪さ

ロイヤリティ調査_スタバ

※出所:エモーションテック「コーヒーチェーンNPS(顧客ロイヤルティスコア)調査」

調査結果によると、推奨度への影響の大きい『店内の雰囲気・居心地』『コストパフォーマンス』の数値が低いようです。つまりは、

・コストパフォーマンスがよくない 
・店舗の雰囲気・居心地が良くない

なんとなく意外な印象もありますが、スターバックスコーヒーがブランディング戦略において成功していたからこそ起こった結果だと推測されます。


スターバックスコーヒーのブランド戦略とは

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スターバックスコーヒーはブランディング戦略の一環で、「サードプレイス」というコンセプトを提唱し、利用者に自宅でも会社や学校でもない第3の場所として居心地の良い空間の提供を目指しています。スターバックスコーヒーの店内について内装がオシャレや、雰囲気が落ち着くなど感じている方も多いのではないでしょうか。

余談ですが、日本に進出してきた際のインパクトは本当に大きかったと記憶しております。日本の大衆的なコーヒーチェーンとは一線を画すオシャレさと、値段の高さ(笑)ただ、シアトル発!を前面に押し出し、店内の装飾のこだわりや雰囲気、接客の良さなどから居心地の良さを感じられたのは、当初からサードプレイスのコンセプトを粛々と実行してきたからではないかと思います。。。。

今でこそ誰もが知っているカフェとして現在の地位を築いておりますが、ただ、スターバックスコーヒーの人気がゆえに、さまざまな方も訪れます。これはつまり、来店する方がすべて同じ趣向や目的を持って来店するとは限らないということです。店内で落ち着いてコーヒーを飲む方もいれば、友人や家族と談笑を楽しむ方もいらっしゃいます。

来店客が増えれば増えるほど各人の目的のギャップというものが大きくなっていく。

そこに今回の結果を招く原因があるのだと考えます。


コンセプトと現実のジレンマ

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スターバックスコーヒーはブランディング戦略を行う上で、サードプレイスなるコンセプトを打ち出し、利用者に居心地の良い環境と美味しいコーヒーの提供、丁寧な接客などから、スターバックスというブランドを体験してもらい、利用者の信頼や愛着を勝ち得てきました。

一方でブランドの認知度が上がったことで、当然として利用者が増え店舗も拡大しコモディティ化が進みました。そうなると、当然利用者から求められるものは千差万別で、サードプレイスのコンセプトの枠を超えるものを求める利用者も一定数発生します。

結果として、店舗の雰囲気・居心地が良くないと感じる利用者も増えるでしょうし、そこから連動してコスパが悪いという感覚にも繋がったのだと考えます。


ブランディングにもPDCAは重要

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チェーン展開するような企業の場合、売上や事業拡大というものは当然求めています。(売上が先か理念が先かは別として・・・)ただ、ブランド認知の成功と事業拡大の一環でコモディティ化されることと、スターバックスコーヒーの掲げるサードプレイスは、対極に位置しているのではと考えます。

企業のブランドプロミスと消費者の間のギャップが生じることでブランドイメージが悪くなる(今回の調査でいうと、顧客ロイヤリティの低下)のであれば、ブランドコンセプトを調整していくまたは一新していく(リブランディング)、またはコンセプトはそのままに事業方針の転換を図るなどの変化が必要なのかもしれません。

つまり、ブランディング戦略において、ブランド構築をすれば終わりではなく、時代や消費者のニーズ、そして企業理念や戦略に合わせて、ブランドのコンセプトなども変化させていく必要があると考えます。ブランディングにも当然PDCAが必要だと考えます。

個人的な考えですが、もしコモディティ化とサードプレイス、両方を成立させるのであれば、

・サードプレイスを踏襲したおひとり様向け店舗
・「自宅で味わえるスタバ」と銘打ちオンライン販促により力を入れる(自宅でサードプレイスが感じられる!)

なども良いかもしれません。

ブランドとして確立されたからこそ起きたこのジレンマをどう打開していくのか、キャラメルフラペチーノを飲みながら、スターバックスコーヒーの今後の動向に注目していきたいと思います。

この記事の編集メンバー
遠藤 正樹/Masaki Endo
WEB広告代理店を経てライフェックスにジョイン。
現在は、ブランディングと新規獲得の領域でご支援を実施中。美味しいものを腹12分目まで食べることに喜びを感じる。現在、漢方を内服中。
ここ数年でプロレスが好きになり、自身のボディメイクをプロレスラーよりに寄せている。
座右の銘: 会う人、出会うもの、すべて我が師なり

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